トップページ > 医師関連コラム「医療制度改革は官僚主導、患者不在」

医師と言えども転職が当たり前の時代になってきました。その理由は様々ですがやはり、「これからのキャリアプランを考えて」、「年収をもう少し増やしたい」、「仕事に忙殺されていて、もう少し自分や家族との時間がほしい」と言った、誰もが納得できる理由が多いように感じます。一度しかない人生ですから、悔いのない生き方・働き方を選びたいものです。転職に悩んでいる先生方か、ぜひ素敵な仕事・職場にめぐり合えることを祈っております。

医師関連コラム

  • 医療制度改革は官僚主導、患者不在

現在、残念ながら様々な医療制度の「改悪」が進んでいますが、そのルーツは何でしょうか?

1983年に「社会保険旬報」に「医療費をめぐる情勢と対応に関する私の考え方という論文が掲載されました。著者は厚生省事務次官を務めた吉村仁氏で、健康保険制度の大改革を実現させた張本人にといわれています。

この論文の主張のポイントは次の3点です。

1.このまま租税・社会保障負担が増大すれば、日本社会の活力が失われる。

2.治療中心の医療より予防・健康管理・生活指導などに重点をおいた方が効率的である。

3.医療サービスの供給は一県一大学政策もあって、近い将来医師過剰が憂えられ、病床数も世界一、高額医療機品導入数も世界的に高い。

まさにこれはその後の医療政策の骨格となった考えです。

これにのっとりわが国は過去30年以上にわたって医療費抑制を第一にした医療制度改革=改悪が行われました。一人の官僚が一国の医療制度を変えたといっても言い過ぎではないかもしれません。ここにも日本の官僚主導の政治の一端がみえます。

もちろん、それが患者の方を含めた納税者全体の総意であれば一つの選択としてありえるとは思いますが、今こうした効率至上主義の医療制度改革の中で、病院数の減少や自己負担の増加、医者の偏在、診療科目の偏在によって困っているのは患者さん自身です。

今一度、患者の目線に立った医療制度とはどういったものであるべきなのか考えるべき時期にきているのではないでしょうか。

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