トップページ > 医師を取り巻く問題「異常な労働環境」

医師と言えども転職が当たり前の時代になってきました。その理由は様々ですがやはり、「これからのキャリアプランを考えて」、「年収をもう少し増やしたい」、「仕事に忙殺されていて、もう少し自分や家族との時間がほしい」と言った、誰もが納得できる理由が多いように感じます。一度しかない人生ですから、悔いのない生き方・働き方を選びたいものです。転職に悩んでいる先生方か、ぜひ素敵な仕事・職場にめぐり合えることを祈っております。

医師を取り巻く問題

  • 「異常な労働環境」

職業紹介の仕事を通じて多くの勤務医に接してきた経験からすると、勤務医の心身の健康や仕事へのモチベーションを損なう要因は、いくつかのパターンに集約できるように感じます。

ひとつのパターンだけでなく、二つ、三つのパターンが複合的に重なって医師を追い詰めているケースもありますが以後代表的なパターンを紹介してみます。

おそらく働き盛りの医師が離職する原因としてもっとも多いのが、この「異常な労働環境」でしょう。要するに、過労死につながるような長時間労働や、365日24時間オンコールで心身が休まる暇もないといった“異常に”過酷な労働環境を受け入れ、それを継続した結果、仕事が続けられなくなってしまうケースです。

医療の世界だけに限りませんが、極端な長時間過重労働は、確実に働く人の心身の健康を蝕みます。本来であれば、使用者(雇用者)である医療機関が、勤務医の労働時間を適正に管理するべきです。しかしここで注目したいのは、なぜ勤務医がそうした非人間的な働き方を、黙々と続けてしまうのかという点です。

理由のひとつは、「そういう働き方が当たり前」という感覚が、医師の周囲にも、ときには勤務医自身にもあるからではないでしょうか。

とくに歴史的に医師不足が続いてきた首都圏以外の地域では、勤務医の長時間過重労働が常識になっています。

関東・関西の首都圏勤務医の労働は「週4.5日または5日+宿日直」が基本ですが、対する首都圏以外の地域では「週5.5日+宿日直」が多く、慣習になっている地域もあります。

週5.5日となると、勤務医が仕事以外の時間として使用できるのは、週あたりわずか1.5日です。そこに宿日直やオンコールの対応が入れば、すぐに「実質的に休みはない」状況になるのは明らかです。

これは、「この地域では皆、そういう働き方をしている」「これまでずっとそうやってきた」という事実を隠れ蓑にして、病院が勤務医の過酷な働き方を放置してきた結果です。

いわば「勤務環境が厳しくても、この地域の患者さんを救おう」という真面目で熱意のある医師たちの働きに、病院側が甘えてしまっているわけです。

また、常に人手不足で働き詰めになっている勤務医ほど、休みをとることに罪悪感を抱くケースも多くなります。

白分か休んでしまえば、治療を待っている患者さんを失望させる、あるいは、周囲の医師やスタッフにも迷惑がかかるという思いが、適正な休みを取るという当然の権利を霞ませてしまうからです。

ごくたまに休日があっても、休むこと自体に罪悪観があれば、精神的には休めていない状態が続いてしまいます。

こうした法外な長時間労働や休みをとることもままならない労働環境は、社会一般の基準からすれば異常であり、おそらく違法な働き方でもあります。

そのことを誰よりもまず、勤務医自身が知っておかなければいけません。

「劣悪な労働環境に黙って耐え続けること」は美徳のようにも見えますが、長い目でみれば「異常な働き方を追認している」ことになり、そのために心身を壊す医師を増やしてしまう要因にもなりかねないからです。

<続く>

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