医師と言えども転職が当たり前の時代になってきました。その理由は様々ですがやはり、「これからのキャリアプランを考えて」、「年収をもう少し増やしたい」、「仕事に忙殺されていて、もう少し自分や家族との時間がほしい」と言った、誰もが納得できる理由が多いように感じます。一度しかない人生ですから、悔いのない生き方・働き方を選びたいものです。転職に悩んでいる先生方か、ぜひ素敵な仕事・職場にめぐり合えることを祈っております。
勤務医が過酷な環境で働き続けてしまう理由として、もうひとつ挙げられるのが、医師という仕事ならではの責任の重さです。 医師は、患者さんの命を預かる仕事です。救急現場などでは医師の判断が文字通り、患者さんの生死を分けることもありますし、治療の成果いかんによっては、患者さん本人やその家族の人生を大きく変えることもあります。 すぐに命に関わる状況でない場合も、治療を続けなければ患者さんの容体は悪化し、寿命を縮めたりQOLを悪化させます。 それを考えれば、自分自身がどれほど辛くても、目の前にいる患者さんを放り出すわけにはいかない。真面目で責任感が強い医師ほど、そう考えるものです。 私はある医師から聞いた言葉が、とても印象に残っています。 東北地方の公立病院に勤める中堅の勤務医に勤務状況を聞いていて、連日の長時間労働に救急対応なども含め、あまりにも過酷な働き方なので、思わず「このままでは先生のほうが倒れてしまいますよ。辞めようとは思わないのですか?」と尋ねたことがあります。 すると当時30代だったその医師は、こう答えました。「患者さんが人質なんだから、辞められるわけがないでしょう」。 自分以外にその地域で患者さんを診られる人材がいない場合、医師が自分の職を投げ出すことは、患者を見殺しにするようなもの。そういう差し迫った状況を、その医師は「人質」という言葉で表現したわけです。 しかし、「自分が診なければ」という一心で、心身ともにギリギリの状態で勤務を続けていれば、医師の健康が脅かされるだけでなく、医療ミスや医療事故にもつながりやすくなります。実際に、過酷な勤務が続いた矢先の医療事故や、事故の訴訟・刑事告発をきっかけに、医師がうつ病などを発症する例は珍しくありません。 医師としての使命感や責任感から、駆り立てられるように働き続けて、ある日突然にバーンアウトしてしまえば、結局、患者さんに求められる診療を行えなくなります。 また、医療ミスや事故を誘発するような危ない状況で仕事を続けてしまうことも、患者のためにも、医師自身のためにもなりません。 たとえ目の前の患者を救うのが医師の使命だとしても、どこまでが「頑張り」で耐えられる範囲なのか、その境界を正しく見極める目を持つことが重要です。 <続く> 医師転職支援会社を調べてみたいと思ったら >>>医師転職サイト比較ランキング+口コミ評判
勤務医が過酷な環境で働き続けてしまう理由として、もうひとつ挙げられるのが、医師という仕事ならではの責任の重さです。
医師は、患者さんの命を預かる仕事です。救急現場などでは医師の判断が文字通り、患者さんの生死を分けることもありますし、治療の成果いかんによっては、患者さん本人やその家族の人生を大きく変えることもあります。
すぐに命に関わる状況でない場合も、治療を続けなければ患者さんの容体は悪化し、寿命を縮めたりQOLを悪化させます。
それを考えれば、自分自身がどれほど辛くても、目の前にいる患者さんを放り出すわけにはいかない。真面目で責任感が強い医師ほど、そう考えるものです。
私はある医師から聞いた言葉が、とても印象に残っています。
東北地方の公立病院に勤める中堅の勤務医に勤務状況を聞いていて、連日の長時間労働に救急対応なども含め、あまりにも過酷な働き方なので、思わず「このままでは先生のほうが倒れてしまいますよ。辞めようとは思わないのですか?」と尋ねたことがあります。
すると当時30代だったその医師は、こう答えました。「患者さんが人質なんだから、辞められるわけがないでしょう」。
自分以外にその地域で患者さんを診られる人材がいない場合、医師が自分の職を投げ出すことは、患者を見殺しにするようなもの。そういう差し迫った状況を、その医師は「人質」という言葉で表現したわけです。
しかし、「自分が診なければ」という一心で、心身ともにギリギリの状態で勤務を続けていれば、医師の健康が脅かされるだけでなく、医療ミスや医療事故にもつながりやすくなります。実際に、過酷な勤務が続いた矢先の医療事故や、事故の訴訟・刑事告発をきっかけに、医師がうつ病などを発症する例は珍しくありません。
医師としての使命感や責任感から、駆り立てられるように働き続けて、ある日突然にバーンアウトしてしまえば、結局、患者さんに求められる診療を行えなくなります。
また、医療ミスや事故を誘発するような危ない状況で仕事を続けてしまうことも、患者のためにも、医師自身のためにもなりません。
たとえ目の前の患者を救うのが医師の使命だとしても、どこまでが「頑張り」で耐えられる範囲なのか、その境界を正しく見極める目を持つことが重要です。
<続く>
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