トップページ > 医師を取り巻く問題「38歳、内科医の証言」

医師と言えども転職が当たり前の時代になってきました。その理由は様々ですがやはり、「これからのキャリアプランを考えて」、「年収をもう少し増やしたい」、「仕事に忙殺されていて、もう少し自分や家族との時間がほしい」と言った、誰もが納得できる理由が多いように感じます。一度しかない人生ですから、悔いのない生き方・働き方を選びたいものです。転職に悩んでいる先生方か、ぜひ素敵な仕事・職場にめぐり合えることを祈っております。

医師を取り巻く問題

  • 「38歳、内科医の証言」

<38歳、男性、専門:内科(一般内科)の例>

某大学医学部卒業後、研修医として勤務したのち、約3年間、関東地方の急性期医療センターに常勤内科医として勤務し退職。

現在は、同地方の療養型総合リハビリテーション病院(民間)に転職し、現在に至る。

「勤めていた急性期医療センターでは、地域の基幹病院として2次救急レベルの医療に従事しており、日勤帯、夜間帯を問わず沢山の救急車が運ばれてきました。

当時は、外来や救急対応、月5回の宿直、月4回の日直をこなし、さらに入院患者さんの治療・管理も診ており、労働環境としては過酷そのもの。新しく入ってくる医師もいましたがすぐに辞めてしまうため、在職すればするほど仕事をまかされ、さらに負担が重くなるという悪循環でした。

内科の救急対応には、常に難しさを感じていました。「胸が痛い」といっても、軽いものから、命を落とすような病気まで本当にさまざまです。運ばれてきたすべての患者さんについて1時間以内に症状を完璧に把握し、診断・治療を施すというのは大きなストレスになりました。

その急性期医療センターを離れようと決心するに至ったのは、やはり救急対応での出来事です。

あるとき、腹痛を訴えて救急で運ばれてきた中高年の男性の患者さんがいました。CT検査の末、巨大な総胆管結石を認めそれが症状の原因と判断し、投薬しました。

しかしその20分後、容体が急変して患者さんは亡くなってしまったのです。調査の結果、急性大動脈解離が死因とわかりましたが、そのときは私を含む医師10人が診てもわからず、避けられない事態だったと思います。

しかし、ご家族が納得されず、医療ミスではないかと訴えたため、私も警察に事情聴収をされました。そこで、心がぽっきり折れたのが自分でもわかりました。今の体制では、救急は受け入れれば受け入れるほどリスクが高くなるだけだと。

結局、その救急医療センターは、私が退職する際にほかに数名の医師が同時に抜けました。

なかには父親が開業医で後を継ぐための退職でしたが、他の先生は、中核を担っていたドクター2人が抜けるのに施設として穴を埋めようともせず、人員を補充しようとしない姿勢に嫌気がさし、退職を決心したようです。

噂で聞くところ、その後もドクターはなかなか定着しづらい状況が続いているようです。」

こうした現在の日本の医療は異常だし、限界だとも感じます。

他国の例では、イギリスはかかりつけ医が紹介状を出さなければ、専門医を受診することはできません。

北欧では、人工呼吸器は装着しませんが、医療の質は上がっています。

対する日本は、これから患者も医療費も増える一方です。人間が「亡くなるべき年齢」に逆らってきた日本の医療は、問題が山積していると思います。

<続く>

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