医師と言えども転職が当たり前の時代になってきました。その理由は様々ですがやはり、「これからのキャリアプランを考えて」、「年収をもう少し増やしたい」、「仕事に忙殺されていて、もう少し自分や家族との時間がほしい」と言った、誰もが納得できる理由が多いように感じます。一度しかない人生ですから、悔いのない生き方・働き方を選びたいものです。転職に悩んでいる先生方か、ぜひ素敵な仕事・職場にめぐり合えることを祈っております。
<37歳、男性、専門:外科、麻酔科の例> 国立大医学部卒業後、医学部付属病院で研修。公立の総合医療センター等で5年ほどの勤務を経て、31歳のときに再び出身の医学部病院・外科に戻る。このころ新型うつ病を発症し、3か月休職。休職後は公立総合医療センターの外科医として1年間勤務。36歳のときに転職し、現在は中規模病院の麻酔科医。 「急性期病院の外科の勤務は、救急対応や緊急手術などが多く、大変な激務です。私の場合は、35歳のときに不眠や疲労から新型うつ病を発症し、3ヶ月休職させてもらった経験もあります。 新型うつ病に気づいたきっかけはテレビです。健康番組を何気なくかけていて、うつ病チェックをやってみたら、「眠れない」「日中だるさを感じる」など、ほぼすべて当てはまった。 仕事上、夜中もオンコールでいつ呼ばれるかわからないため、睡眠薬を飲むこともできず、不眠で体調を崩してしまったのです。 ただ相談した上司はとても理解があり、申し出た翌日から休ませてくれました。後から知りましたが、その上司は部下を二人、うつ病の末に自殺で亡くしているそうです。だから自分のときも「すぐに休ませなくては」と即座に判断したそうです。 私か本当にキツいと感じたのは、その後の総合医療センターでの勤務です。そこでは部長以下、自分を含めて4人の外科医がいましたが、私の場合は部長と治療方針がどうしても合わないと感じました。部長は、「高齢者でもどんな容態でも関係なく、何でもかんでも手術」という考えで、私はそういうやり方にとてもついていけないと感じました。 しかし、すべての最終決定権は部長にあるので、従うか辞めるかしかなく、結局、退職のほうを選びました。 どこの病院も人手が足りないし、忙しいのは一緒だと思います。それでも人間関係がよかった病院時代は、精神的な辛さはなかったですね。やはり、体力的な面より精神面で疲弊してしまうほうが大きいと感じます。 この転職を機に、外科を離れようと考えました。36歳で未経験の診療科で転職活動をするのは、かなりきつい面もありました。 しかし、そうして自分から動いたことは結果的には正解でした。麻酔科医として勤務できる職場と出会い、部長も「好きにやったらいい」と任せてくれ、働きやすさは抜群です。 休職や転職で妻にも心配をかけたはずですが、何もいわずに見守ってくれました。家族には本当に感謝しています。 今も、周囲の若い世代で辛そうな医師がいると、「寝られているか」と必ず聞くようにしています。自分のような目にはあってほしくないし、若い勤務医が健やかに働けるように少しでも手を差し伸べたいと思っています。」 <続く> 医師転職支援会社を調べてみたいと思ったら >>>医師転職サイト比較ランキング+口コミ評判
<37歳、男性、専門:外科、麻酔科の例>
国立大医学部卒業後、医学部付属病院で研修。公立の総合医療センター等で5年ほどの勤務を経て、31歳のときに再び出身の医学部病院・外科に戻る。このころ新型うつ病を発症し、3か月休職。休職後は公立総合医療センターの外科医として1年間勤務。36歳のときに転職し、現在は中規模病院の麻酔科医。
「急性期病院の外科の勤務は、救急対応や緊急手術などが多く、大変な激務です。私の場合は、35歳のときに不眠や疲労から新型うつ病を発症し、3ヶ月休職させてもらった経験もあります。 新型うつ病に気づいたきっかけはテレビです。健康番組を何気なくかけていて、うつ病チェックをやってみたら、「眠れない」「日中だるさを感じる」など、ほぼすべて当てはまった。
仕事上、夜中もオンコールでいつ呼ばれるかわからないため、睡眠薬を飲むこともできず、不眠で体調を崩してしまったのです。
ただ相談した上司はとても理解があり、申し出た翌日から休ませてくれました。後から知りましたが、その上司は部下を二人、うつ病の末に自殺で亡くしているそうです。だから自分のときも「すぐに休ませなくては」と即座に判断したそうです。
私か本当にキツいと感じたのは、その後の総合医療センターでの勤務です。そこでは部長以下、自分を含めて4人の外科医がいましたが、私の場合は部長と治療方針がどうしても合わないと感じました。部長は、「高齢者でもどんな容態でも関係なく、何でもかんでも手術」という考えで、私はそういうやり方にとてもついていけないと感じました。
しかし、すべての最終決定権は部長にあるので、従うか辞めるかしかなく、結局、退職のほうを選びました。
どこの病院も人手が足りないし、忙しいのは一緒だと思います。それでも人間関係がよかった病院時代は、精神的な辛さはなかったですね。やはり、体力的な面より精神面で疲弊してしまうほうが大きいと感じます。
この転職を機に、外科を離れようと考えました。36歳で未経験の診療科で転職活動をするのは、かなりきつい面もありました。
しかし、そうして自分から動いたことは結果的には正解でした。麻酔科医として勤務できる職場と出会い、部長も「好きにやったらいい」と任せてくれ、働きやすさは抜群です。
休職や転職で妻にも心配をかけたはずですが、何もいわずに見守ってくれました。家族には本当に感謝しています。
今も、周囲の若い世代で辛そうな医師がいると、「寝られているか」と必ず聞くようにしています。自分のような目にはあってほしくないし、若い勤務医が健やかに働けるように少しでも手を差し伸べたいと思っています。」
<続く>
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