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超高齢社会の日本では、「介護」の問題も見過ごせなくなっています。

現在の日本では、７５歳以上の高齢者の４人に１人が要介護の状態にあります。

これは、その年齢の親をもつ４０代、５０代では、夫婦双方の両親の誰か一人は介護が必要という状態を意味します。

その証拠に、働き盛りの世代が親の介護を理由に離職する「介護離職」は年々増加していて、その数は年間１０万人に上るともいわれています。それは職業が医師であっても例外ではなく、介護は他人事では済まされなくなっています。

しかも、親の介護はある日突然、「待ったなし」でやってきます。そのためやむなく離職したり、勤務医の仕事と親の介護の負担で心身を病んでしまう医師もいます。

これまで日本の社会では「育児や介護はプライベートのことで、仕事にとってはマイナス」という捉え方が強かったように思います。

しかし、育児や介護の経験は決してマイナスだけではありません。

人間理解の視野を広げ、患者の暮らしや心情に寄り添えるようになるなど、医師として得るものも少なくないからです。

将来的には、どこの医療機関の勤務医でも、安心して育児や介護を行えるようになるよう、勤務医の労働環境が改善されるのが理想ですが、現状では、勤務医が介護と両立しながら働きたいと考えるのであれば、育児と同様、「自分のニーズに合った職場探し」がもっとも重要な鍵になると思われます。

＜続く＞

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