医師と言えども転職が当たり前の時代になってきました。その理由は様々ですがやはり、「これからのキャリアプランを考えて」、「年収をもう少し増やしたい」、「仕事に忙殺されていて、もう少し自分や家族との時間がほしい」と言った、誰もが納得できる理由が多いように感じます。一度しかない人生ですから、悔いのない生き方・働き方を選びたいものです。転職に悩んでいる先生方か、ぜひ素敵な仕事・職場にめぐり合えることを祈っております。
医師の労働環境を考えるときには、医師の報酬にも目を向ける必要があります。 一般には「医師の報酬は高い」「医師は高給取り」というイメージが色濃くあります。しかし若手の勤務医に関しては、決してそれは当てはまりません。 まず2年間の研修期間の平均的な報酬は、年収200万〜300万円程度です。前にも述べたように、新研修制度が導入される前は研修医はほぼ無給で働いていたため、以前に比べれば改善しているのは確かです。 しかし、労働時間の長さや担っている業務の責任の重さを考えると、驚くほど少ないと感じます。むしろ同年代のサラリーマンのほうが、労働に対する報酬としては“割がいい”とさえ思えます。 また、2年の臨床研修を終えた後は、後期研修医(レジデント)という立場で5〜7年ほど勤務を続け、スキルを磨くのが普通ですが、この時期の報酬もおそらく、年収300万〜400万円というケースが多数を占めていると思われます。 ただ後期研修医になると、研修医時代は禁止されていたアルバイトが可能になります。そこで、ひとつの勤務先で長時間労働をこなしたうえに、さらに他の医療機関でアルバイトや非常勤の仕事をこなす若手医師が増加します。 先に挙げた「勤務医の就労実態調査」でも、全体の半数以上の医師が2か所以上の勤務先で業務に従事していると回答しています。それは主となる勤務先で常勤として働く勤務医も同じで、常勤医のほぼ半数が複数の医療機関に勤務しています。 複数の勤務先で働く理由としては、「収入を増やしたいから」が48.1%と、トップを占めており、「ひとつの勤務先では生活自体を営めないから」(34.4%)という切実な声も上がっています。 つまり、若い医師たちの多くは、本来は心身を休める休息や、プライベートの充実に充てるべきオフの時間を、生活のための労働に充てているわけです。 後期研修医の時期を過ぎ、常勤医師として勤務するようになると、ようやく経験に比例して報酬も上がってきます。常勤5、6年目、年齢にして30代後半〜40代になる頃には、平均年収は1000万円を超えるようになりますが、それでも「もっと稼ぎたい」という医師は少なくありません。 医師の場合、結婚して子どもを持つと、子どもを医学部に進学させたいと思う人が多く、教育費を用意したいというニーズが高いようです。あるいは、将来の開業に向けて資金を貯めたいという人もいます。どちらの場合も大きな資金が必要になるため、複数の勤務先のかけもち勤務が続くことになります。 生活費や必要な資金を稼ぐほかにも、勤務先からの指示や医師不足の病院からの要請に応じて複数就業をする医師もいますし、キャリアアップを目的にしている医師もいます。しかし、いずれにせよこの状態では、各医療機関が労基法に則って医師の労働時間を管理したとしても、かけもち勤務をする医師個人の労働時間は少なくなりません。 事実、勤務先数が増えるほど、週あたりの労働時間は増え続け、5か所以上のかけもち勤務をする医師では、週あたりの労働時間は62時間を超え、週に70時間以上働く人も3割を超えています(「勤務医の就労実態調査」)。 まさに骨身を削るようにして働き続ける医師も珍しくなく、その多くが疲弊してしまうのも当然と感じます。 <続く> 医師転職支援会社を調べてみたいと思ったら >>>医師転職サイト比較ランキング+口コミ評判
医師の労働環境を考えるときには、医師の報酬にも目を向ける必要があります。
一般には「医師の報酬は高い」「医師は高給取り」というイメージが色濃くあります。しかし若手の勤務医に関しては、決してそれは当てはまりません。
まず2年間の研修期間の平均的な報酬は、年収200万〜300万円程度です。前にも述べたように、新研修制度が導入される前は研修医はほぼ無給で働いていたため、以前に比べれば改善しているのは確かです。
しかし、労働時間の長さや担っている業務の責任の重さを考えると、驚くほど少ないと感じます。むしろ同年代のサラリーマンのほうが、労働に対する報酬としては“割がいい”とさえ思えます。
また、2年の臨床研修を終えた後は、後期研修医(レジデント)という立場で5〜7年ほど勤務を続け、スキルを磨くのが普通ですが、この時期の報酬もおそらく、年収300万〜400万円というケースが多数を占めていると思われます。
ただ後期研修医になると、研修医時代は禁止されていたアルバイトが可能になります。そこで、ひとつの勤務先で長時間労働をこなしたうえに、さらに他の医療機関でアルバイトや非常勤の仕事をこなす若手医師が増加します。
先に挙げた「勤務医の就労実態調査」でも、全体の半数以上の医師が2か所以上の勤務先で業務に従事していると回答しています。それは主となる勤務先で常勤として働く勤務医も同じで、常勤医のほぼ半数が複数の医療機関に勤務しています。
複数の勤務先で働く理由としては、「収入を増やしたいから」が48.1%と、トップを占めており、「ひとつの勤務先では生活自体を営めないから」(34.4%)という切実な声も上がっています。
つまり、若い医師たちの多くは、本来は心身を休める休息や、プライベートの充実に充てるべきオフの時間を、生活のための労働に充てているわけです。
後期研修医の時期を過ぎ、常勤医師として勤務するようになると、ようやく経験に比例して報酬も上がってきます。常勤5、6年目、年齢にして30代後半〜40代になる頃には、平均年収は1000万円を超えるようになりますが、それでも「もっと稼ぎたい」という医師は少なくありません。
医師の場合、結婚して子どもを持つと、子どもを医学部に進学させたいと思う人が多く、教育費を用意したいというニーズが高いようです。あるいは、将来の開業に向けて資金を貯めたいという人もいます。どちらの場合も大きな資金が必要になるため、複数の勤務先のかけもち勤務が続くことになります。
生活費や必要な資金を稼ぐほかにも、勤務先からの指示や医師不足の病院からの要請に応じて複数就業をする医師もいますし、キャリアアップを目的にしている医師もいます。しかし、いずれにせよこの状態では、各医療機関が労基法に則って医師の労働時間を管理したとしても、かけもち勤務をする医師個人の労働時間は少なくなりません。
事実、勤務先数が増えるほど、週あたりの労働時間は増え続け、5か所以上のかけもち勤務をする医師では、週あたりの労働時間は62時間を超え、週に70時間以上働く人も3割を超えています(「勤務医の就労実態調査」)。
まさに骨身を削るようにして働き続ける医師も珍しくなく、その多くが疲弊してしまうのも当然と感じます。
<続く>
医師転職支援会社を調べてみたいと思ったら
>>>医師転職サイト比較ランキング+口コミ評判