医師と言えども転職が当たり前の時代になってきました。その理由は様々ですがやはり、「これからのキャリアプランを考えて」、「年収をもう少し増やしたい」、「仕事に忙殺されていて、もう少し自分や家族との時間がほしい」と言った、誰もが納得できる理由が多いように感じます。一度しかない人生ですから、悔いのない生き方・働き方を選びたいものです。転職に悩んでいる先生方か、ぜひ素敵な仕事・職場にめぐり合えることを祈っております。
・医師が心身ともに健康に働くための10の条件/7.医師と医療機関のミスマッチをなくす(3) 視野を広げてさまざまな医療機関の情報を収集したら、次に必要になるのが、医師が「自分に合った医療機関を選ぶ」というプロセスです。 医師が勤務先として医療機関をチェックするポイントは、三点あります。今回はその3点目をご案内します。 3.医療機関の経営状況 医療機関の経営状況は、報酬が確保されるかどうかという点だけでなく、医師の働き方にも関わってきます。 実際に「経営状況が悪い病院で、医師にとって良い病院はない」といっても過言ではありません。 一般に医療機関の倒産や破綻は、「診療報酬のマイナス改定」や「医師不足」が原因と考えられがちですが、それが直接的な原因で倒産した病院は皆無といっていいと思います。 では、何か原因かというと、慢性的な赤字経営や投資の失敗などで経営的に末期状態だったところに、診療報酬改定などが止めを刺した、といったケースが大半を占めます。 私が耳にした話では、帳簿等がなく、請求書が届いたら支払うような経営をしていた病院もあり、使いもしない高額の機械を購入する病院など、収支を無視したずさんな経営を行う病院は少なくありません。 そうした医療機関での勤務は、ルーズでラクな面もあるかもしれませんが、近い将来、行き詰まる可能性が高く、また改革するにしても大きな痛みを伴うことが予想されるため、とても安心して診療を行える状態とはいえません。 また極端にずさんな経営体質でなくても、地域ごとに医療機関の機能分化と連携が進む世の中で、地域のニーズと合わない医療を提供していて、経営的に厳しくなっている医療機関もあります。 そういう医療機関では、生き残りのためにスタッフ体制や機器が十分でないのに無理に救急受入れを行ったり、必要のない過剰な検査、投薬等を行うなど、医師にグレーな診療を強要する恐れもあります。 これらの理由から、医師が勤務先を選ぶ際には、将来にわたって経営が健全な病院、もしくは現在、経営・財務状況が悪化していても、改善の取り組みを含めた情報を開示するような医療機関を選択することをおすすめします。 医師が個人で各医療機関の経営状況を知るということでは、医師紹介会社や懇意にしている機械メーカー等から情報を得ることもできます。 またある程度は、病院の実績データと地域性を総合的にみて判断することも可能です。 たとえば平均外来数、入院平均数、平均在院日数、救急受入台数、DPC係数(診断群分類包括評価)、オペ件数等から、その医療機関の現在の実力を推し量ることができます。 加えて、同じ地域にある医療機関との連携、法人であれば他にどのような施設をもっているかといった情報からも、およその状況を判断できます。 ただ注意しなくてはならないのは、現時点で経営に問題がなくても将来的にどうなるのかは、医師個人では判断は難しいということです。その点は、医師紹介会社などの専門家に相談するのが確実といえます。 <続く> 医師転職支援会社を調べてみたいと思ったら >>>医師転職サイト比較ランキング+口コミ評判
・医師が心身ともに健康に働くための10の条件/7.医師と医療機関のミスマッチをなくす(3)
視野を広げてさまざまな医療機関の情報を収集したら、次に必要になるのが、医師が「自分に合った医療機関を選ぶ」というプロセスです。
医師が勤務先として医療機関をチェックするポイントは、三点あります。今回はその3点目をご案内します。
3.医療機関の経営状況
医療機関の経営状況は、報酬が確保されるかどうかという点だけでなく、医師の働き方にも関わってきます。
実際に「経営状況が悪い病院で、医師にとって良い病院はない」といっても過言ではありません。
一般に医療機関の倒産や破綻は、「診療報酬のマイナス改定」や「医師不足」が原因と考えられがちですが、それが直接的な原因で倒産した病院は皆無といっていいと思います。
では、何か原因かというと、慢性的な赤字経営や投資の失敗などで経営的に末期状態だったところに、診療報酬改定などが止めを刺した、といったケースが大半を占めます。
私が耳にした話では、帳簿等がなく、請求書が届いたら支払うような経営をしていた病院もあり、使いもしない高額の機械を購入する病院など、収支を無視したずさんな経営を行う病院は少なくありません。
そうした医療機関での勤務は、ルーズでラクな面もあるかもしれませんが、近い将来、行き詰まる可能性が高く、また改革するにしても大きな痛みを伴うことが予想されるため、とても安心して診療を行える状態とはいえません。
また極端にずさんな経営体質でなくても、地域ごとに医療機関の機能分化と連携が進む世の中で、地域のニーズと合わない医療を提供していて、経営的に厳しくなっている医療機関もあります。
そういう医療機関では、生き残りのためにスタッフ体制や機器が十分でないのに無理に救急受入れを行ったり、必要のない過剰な検査、投薬等を行うなど、医師にグレーな診療を強要する恐れもあります。
これらの理由から、医師が勤務先を選ぶ際には、将来にわたって経営が健全な病院、もしくは現在、経営・財務状況が悪化していても、改善の取り組みを含めた情報を開示するような医療機関を選択することをおすすめします。
医師が個人で各医療機関の経営状況を知るということでは、医師紹介会社や懇意にしている機械メーカー等から情報を得ることもできます。
またある程度は、病院の実績データと地域性を総合的にみて判断することも可能です。
たとえば平均外来数、入院平均数、平均在院日数、救急受入台数、DPC係数(診断群分類包括評価)、オペ件数等から、その医療機関の現在の実力を推し量ることができます。
加えて、同じ地域にある医療機関との連携、法人であれば他にどのような施設をもっているかといった情報からも、およその状況を判断できます。
ただ注意しなくてはならないのは、現時点で経営に問題がなくても将来的にどうなるのかは、医師個人では判断は難しいということです。その点は、医師紹介会社などの専門家に相談するのが確実といえます。
<続く>
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