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変則的な勤務体制を導入する場合に注意したいのは、公平・公正な給与体系です。

育児中の女性医師がいる職場で、通常勤務の男性医師が「自分は長時間勤務をしているのに、時短勤務の女性医師と報酬があまり変わらない」と不満をもつことがあります。

こうした不公平感をなくすためにも、時短勤務の医師はその時聞に見合った報酬であり、どのような勤務体制でも労働時間単位でみれば平等な報酬であることが、医師全体にわかりやすく示されていることが大切です。

また適正な報酬が得られることも、医師が意欲的に働くためには不可欠な条件です。

現実としては報酬についてうるさくいう医師は多くはないかもしれませんが、言葉では「既定の報酬に従う」としている医師も、実際は不満や不公平感を感じている場合があります。

労働政策研究所・研修機構調査の「勤務医の就労実態と意識に関する調査」によると、勤務医が医師業務に関してもっとも不満と感じていることは賃金に関することで、「不満」と「少し不満」を合わせると４０％近くが不満を訴えています。

この場合に大切なのは、診療内容や地域、労働時聞に即した「適正な」報酬を確立し、医師全員にそれをインフォメーションすることです。

医療機関からすると、給与情報の提示はかえって問題を生み出して面倒、と感じるかもしれませんが、医師の不満を知らずに職場を去られてしまうことのほうが、結果的に大きな損失になります。

医療機関は、適正な報酬、医師が納得する報酬とはどういうものかを常に考えて運営をしていく必要があります。

そして勤務体制や報酬、組織の体制などが納得できて、医師が働きやすいと感じる医療機関は、職場が明るく、活気に満ちています。

暗く思いつめた顔をしている医師がいる病院と、明るい笑顔の医師がいる病院、患者がどちらに行きたいと思うかは、あらためて問うまでもありません。

医師にとって良い病院には、自然と患者も集まるのです。

＜続く＞

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