トップページ > 医師を取り巻く問題「世界一の医療を支える医師の献身と長時間労働」

医師と言えども転職が当たり前の時代になってきました。その理由は様々ですがやはり、「これからのキャリアプランを考えて」、「年収をもう少し増やしたい」、「仕事に忙殺されていて、もう少し自分や家族との時間がほしい」と言った、誰もが納得できる理由が多いように感じます。一度しかない人生ですから、悔いのない生き方・働き方を選びたいものです。転職に悩んでいる先生方か、ぜひ素敵な仕事・職場にめぐり合えることを祈っております。

医師を取り巻く問題

  • 「世界一の医療を支える医師の献身と長時間労働」

ご存じのように、現代の日本の医療は「世界一」という評価を受けています。

Newsweek誌は2010年に「世界の成長力・幸福度ランキング」の健康部門で、日本の医療を世界一と評価していますし、WHOの「The world Health Report」(2000年)でも、日本の医療制度は世界191か国で第1位と位置づけられています。

「質の高い医療を、少ないコストで、誰でも公平に受けることができる」という状態を実現した日本の国民皆保険制度が、世界では高く評価されています。

しかし、この「世界一の医療」を支えているのは、医師をはじめとした医療従事者の献身的な努力と長時間労働です。

医療の質の高さは国民の平均寿命を伸ばし、高齢患者を増やしているほか、誰もが気兼ねなく医療にかかれるフリーアクセスのため、日本人の年間外来受診回数は13.6回を数えます。

ドイツ7.5回、フランス6.3回、アメリカ3.8回といった各国と比べても1人あたり2〜3倍以上、医療機闘を受診しています。少ない医師で膨大な数の患者に対応することが、勤務医の長時間過重労働の一因となっているのは、間違いありません。

アメリカに公的保険制度を導入する目的で、日本の医療体制を調査したアメリカのヒラリー・クリントン前国務長官は「日本の医療制度は、医療従事者の聖職者さながらの自己犠牲により維持されている」と述べています。

ただし「なぜ、これほど医師が働かなければいけないのか」ということを考えると、医療の世界の問題だけに限らず、日本人全体の労働観にもその根があるように思われます。

<続く>

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