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戦後、敗戦国となった日本はアメリカをはじめとした欧米の先進国に「追いつき・追い越せ」が社会の命題となり、国民は休みを返上し、寝る間も惜しむようにして働き続けました。

その結果、高度成長を遂げ世界の経済大国に肩を並べるという「成功体験」を得ています。

日本社会には中高年世代を中心に、その成功体験がいまだ強烈に残っており、「休日も家庭も顧みず、バリバリ働くことは良いこと」で、「年次休暇であっても、仕事を休むのは悪いこと」という価値観が意識の奥底にあります。

しかし、科学技術やインターネットが普及して社会が高度化・複雑化するなかで、そのような働き方は無理のほうが大きくなっています。

現在も日本の中高年男性の自殺率の多さは、世界トップクラスです。

国民全体の自殺では年３万人に迫る高い水準にあります。

こうした現状を知った国連は、ついに日本政府に対して異例の勧告を行っています。「多くの労働者が長時間労働に従事していることと、過労死や精神的なハラスメント（嫌がらせ）による自殺が発生し続けているととを懸念する」として、長時間労働の防止や 規制など、立法措置を含む新たな対策を講じるようにと求めています。

政府が今後、どのような措置を行っていくのかは未知数ですが、社会全体としても、これまでの働き方や労働観を見直そうという機運は以前に比べ、高まりつつあります。

そのひとつといえるのが、休みや余暇を仕事や人生の質を上げるものとして、前向きに捉えようという「ポジティブ・オフ」運動です。

＜続く＞

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