トップページ > 医学生の進路ガイド「解剖学(1)」

医師と言えども転職が当たり前の時代になってきました。その理由は様々ですがやはり、「これからのキャリアプランを考えて」、「年収をもう少し増やしたい」、「仕事に忙殺されていて、もう少し自分や家族との時間がほしい」と言った、誰もが納得できる理由が多いように感じます。一度しかない人生ですから、悔いのない生き方・働き方を選びたいものです。転職に悩んでいる先生方か、ぜひ素敵な仕事・職場にめぐり合えることを祈っております。

医学生の進路ガイド

  • 「解剖学(1)」

<解剖学教授H・I>

高校のとき、なんとなく歴史が好きで、大学で歴史を学びたかった。そこで文学部を受験しようとしたが、文科系科目があまりにできなかったので、断念した。

そこで生物の歴史ということで理学部生物学科に進路を変更しようかと考えたのである。これが高校三年のときだった。

ところが昆虫や植物の本をみても興味がわかず、高校の担任の先生に相談をしたところ、医学部に行けばいいのではないか、別に臨床医にならなくても研究もできるといわれて、単純な私はすっかりそうだと思いこんでしまった。

そこで、物理を選択していない私の学力で入れること、および行ったことがない土地ということで、山形大学を受験し入学した。

学部に進学して、人類遺伝学の講義を聴いて、この先生ならわかってくれると思い、衛生学の教授を訪ねた。「ヒトの歴史を生物学的にたどりたい」という話をしたら、大変興味を持って下さり、本を貸してくれたり、チンパンジーの染色体を調べるために仙台まで一緒に行ったりしてくれたのである。

今なら信じられないかもしれないが、先生は当時図書館長だったので、雑誌まで購入していただいた。

そのまま残ればよかったのだが、どうしても化石人類を見つけたかったので、京都大学の教授に手紙を出してお会いした。学生がいきなり手紙を出して返事をもらうなんて、今考えると冷や汗ものだが、当時はそうするしかなかったと思う。

京都でお会いし、君は医学部だから医学部で仕事をせよといわれ、また、単純にそうだと思ってしまった。

そこで、今度は福島での学会で長崎大学の教授にお会いし、あっという聞に進路を決め、卒業と同時に4月1日から助手となって働きだした。のちに札幌医科大学の教授の下で共同研究を進め、さらに東京大学の教授を団長とする日本シリア合同調査隊の一員として、ネアンデルタール人骨を発見し、学生時代の夢を実現することができた。

私の研究はヒトの起源や進化を形態からみて行くことである。もし、こんなことに興味があるならば、分子生物学でも、ウイルス学でも、法医学でも、もちろん解制学でもなんでもいいから、自分が選んだ医学研究の中に人類学的な視点を加えるとよいのではないだろうかと思っている。

<続く>

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