トップページ > 医学生の進路ガイド「微生物学(1)」

医師と言えども転職が当たり前の時代になってきました。その理由は様々ですがやはり、「これからのキャリアプランを考えて」、「年収をもう少し増やしたい」、「仕事に忙殺されていて、もう少し自分や家族との時間がほしい」と言った、誰もが納得できる理由が多いように感じます。一度しかない人生ですから、悔いのない生き方・働き方を選びたいものです。転職に悩んでいる先生方か、ぜひ素敵な仕事・職場にめぐり合えることを祈っております。

医学生の進路ガイド

  • 「微生物学(1)」

<微生物学教授H・S>

私が学生時代から基礎医学研究を目指していたと思う学生が多いようですが、実はそうでもありません。夢を持ち続けたことと、ちょっとした運命のいたずらにより、私はこの道を選ぴ、そして歩んでいます。

私の両親は産婦人科の開業医ですので、幼い頃から将来は医師にならなければならないと考えていました。

ただし、夢は医師ではなく、科学者か教師でした。気がついてみたら、この三つを叶えていたというのが実際のところです。「三つ子の魂、百まで」ですね。

医学部に入学してからは、幼い頃の夢は忘れ、実家を継ぐために産婦人科医を志望していました。人生の転機というものは、思わぬことにより訪れるものです。学生時代に基礎医学を学んでいるときには、基礎医学を面白いとは思ったものの、将来自分がこの道に入るとは考えてもいませんでした。

そして、何の迷いもなく千葉大学産婦人科学教室に入局し、家業を継ぐために産婦人科医としての研修に没頭しました。

千葉大学産婦人科学教室では、入局2〜3年目を出張病院で研修するシステムでした。

出張病院のリストの中に子宮頸癌の臨床が中心の癌研究会附属病院がありましたが、将来は開業と考えていた私は他の市中病院を希望し内定までしていました。

ところが、癌研婦人科に内定していた同級生が出張直前に病気になり、出張先を交換することとなりました。

今思えば、これが大きな岐路でした。住めば都で、癌研婦人科での二年間は楽しいものでした。

当時、千葉大学医学部微生物学に赴任してきた教授は、子宮頸癌発がんとヒトパピローマウイルスとの因果関係を探る共同研究を産婦人科学教室と開始しようとしていました。

そこで、私に白羽の矢が立ち、大学院入学を勧められ、微生物学教室の門を叩くことになりました。教授が研究を開始していなければ、私は大学院にすら入学していなかったかもしれません。

大学院三年のときに、幸運にも「対がん十ヵ年総合戦略」による日本学術振興会研究員「がん」に採用されました。

二年間の基礎医学教室への出向を終えて帰局する予定が、学振研究員に採用されたお陰でさらに基礎研究を続けることができました。学振研究員に採用されていなければ、今頃は産婦人科医であったと思います。

やがて微生物学教室の助手に採用され現在に至っていますが、今でも夢を追い続けています。

<続く>

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