トップページ > 医師転職アドバイス「医局派遣医の思い込み」

医師と言えども転職が当たり前の時代になってきました。その理由は様々ですがやはり、「これからのキャリアプランを考えて」、「年収をもう少し増やしたい」、「仕事に忙殺されていて、もう少し自分や家族との時間がほしい」と言った、誰もが納得できる理由が多いように感じます。一度しかない人生ですから、悔いのない生き方・働き方を選びたいものです。転職に悩んでいる先生方か、ぜひ素敵な仕事・職場にめぐり合えることを祈っております。

医師転職アドバイス

  • 「医局派遣医の思い込み」

転職相談をいただく医師の中には、初めてエントリーをなさる方や、お知り合いの医師を通してご紹介いただける方など、さまざまな出会いがあります。

一方で、入学数授からの医局派遣先のご相談をいただくケースもあります。

先日ある教授より、42歳の外科指導医の医師を紹介され、勤務先の情報を収集することとなったのです。その方は10年近く医局派遣にて1ケ所の病院に勤務されており、この度、所属医局の教授の退任により大学へ戻る予定でした。

その医師は、インターネットの医師募集広告を日頃より目にされており、「この募集はどこの大学の医局派遣なのだろうか」と感じておられたそうです。というのも「外科はチーム医療のため、必ずチームで派遣されるべきものであり、勤務先は医局派遣しかあり得ない、個別に就職できない科目である」と思い込んでおられたのです。

だから募集情報に掲載されている全ての外科医募集は、必ずどこかの大学に在籍しなければ就職できないと考えていたらしいのです。

「外科医は教授の一声がないと動けない」というイメージを強くお持ちであったのです。

これまでの転職支援の事例を含め、医師の方々個々のスキルを重要視し、医局とは異なった混成部隊のチーム医療があることを説明すると、「世間を良く知る人であれば、そのような病院があると知っているものなのだろうが、今まで全く考えもつかなかった話です」と、驚きを隠せない表情をなさったのでした。

「医局を退局すると外科医として仕事をすることができない、退局は開業をする時であり、世の中には医局派遣しかないと考えていた。医局にいると世間を見る目が狭くなり、メディアで医師の不足が叫ばれているが、大学病院の医師が不足しており、地域医療に従事する医師が不足しているとは考えもしなかった。目の前のことで精一杯でした」と漏らされたのです。

その医師は、現在の医局派遣先から大学に戻ることも考えられましたが、教授である恩師が今後も代わらず現在のポジションにおられるのであれば戻って頑張ろうと考えておられるのですが、この先どうなるかという不安を持ちながら戻ることに対しては、少し抵抗を感じておられました。

だからといって他の医局に入り直し、あちらこちらの派遣先に出向くのも、生活の安定を考えた場合どうかとも思い、転職活動自体に乗り気になれない日々を送っていたというのです。

「本当に退局しても外科医としてやっていける環境があるものなのか?」不思議そうに、その医師は同じ質問を繰り返されました。学会で知りあう医師も皆大学関係の医局派遣であり、退局して活躍されている医師はいない、と思っていただけに新鮮な情報だったようです。

後日、改めてその医師より連絡が入り、転職のご相談をいただくことになりました。医局以外の情報を得たうえで、今後について検討されたいというものでした。

実は、その医師の現在の勤務先はかなりの激務でした。救急車の搬送は絶え間なく、昼ごはんはいつも蕎麦かうどん。カップ麺にお湯を入れた途端、救急搬送があり、数時間後に汁気のないカップ麺を口にすることも日常茶飯事だというのです。

「医師という職業は正直言って、味わうことができない職業かも」と笑いながら言われたのですが、そんな日常で唯一、先生が譲れないのが朝一番のコーヒーであるそうです。日頃、ゆっくり味わうことができない生活であればこそ、コーヒー豆だけにはこだわって、ほんのひと時ではありますが人間らしさを味わっているそうです。

しかし、「それだけですよ」と苦笑されました。先生の日常は、学会に参加するため、ホテルや交通チケットをネット予約しようとしても、救急搬送があまりに多く予約登録を最後まで完結させることが思うようにできない状況のようです。

「激務と理解していても、若いうちはやるべきである。手足が動かなくなれば外科医とは呼んでもらえないだろう。だから今のうちにできることを少しでも多くやりたいと思うのです」先生はそう言われました。

だから、本来は医局に戻って教授を手伝い、引き続き激務に耐えるべきと頭では考えるのですが、子供の寝顔を見ていると決心できない自分かいるとも言われました。

ご自身でじっくり考えていただき、また、ご家族と今後のことをご相談され、少しずつ先生のお気持ちを整理していただくことにしました。振り返る余裕もなく、忙殺される毎日が続けば、いつしかそれが日常となってしまいます。

しかし客観的に身のまわりを眺め、そこに何か違和感を覚えるならば、自ずと進むべき方向性は浮かびあがってくるのではないかと考えるのです。

参考になさってください。

実際に医師転職支援会社を調べてみたいと思ったら

>>>医師転職サイト比較ランキング

目次

トップページ
医師転職・求人・募集サイト比較
医師転職アドバイス
医師を取り巻く問題
医学生の進路ガイド
医師関連コラム

口コミを投稿する