トップページ > 医師転職アドバイス「医局を退局された医師のアドバイス」

医師と言えども転職が当たり前の時代になってきました。その理由は様々ですがやはり、「これからのキャリアプランを考えて」、「年収をもう少し増やしたい」、「仕事に忙殺されていて、もう少し自分や家族との時間がほしい」と言った、誰もが納得できる理由が多いように感じます。一度しかない人生ですから、悔いのない生き方・働き方を選びたいものです。転職に悩んでいる先生方か、ぜひ素敵な仕事・職場にめぐり合えることを祈っております。

医師転職アドバイス

  • 「医局を退局された医師のアドバイス」

転職を考えられる医師の方々のなかには、初めて大学医局を離れる方もいれば、複数回の転職経験をお持ちの方もいます。それぞれこだわりも異なれば、立場も違います。一つ一つ全く違った展開や出会いがあり、外から見ればドラマチックに見えるかもしれません。

日々、面談同行を行いますが、毎回、通り一遍には進んでくれないものです。

また、今は考えていなくても、将来の転職に興味をお持ちになる医師は多く、よくいただくご質問は「医局を離れた後、どうなりますか?」というものです。

所属する組織が変わる、つまり自らの考え方で勤務先が選べる。自らの人生を考え、方向性をしっかりと持ちあわせるべきなど、具体的な答えはあるのですが、それで人生が大きく変わるというより、これから先を見据えて自身で決断し、チャレンジする環境になるということです。

大学病院の医局に在籍されている30歳代中半の医師が、ある病院と面談をされました。自らが目標とされている診療を行う環境を探したいと考えられ、転職支援をさせていただいたのです。

面談先で対応されたのは、院長、事務長。加えて現状の診療状況をより詳しく伺うため、その病院に勤務されている整形外科の医師との面談も設定しました。

勤務医師は40歳代前半で、対応される症例も幅広く、オールマイティな診療をされる方でした。

大学病院の医局で講師をお勤めになられた経験の持ち主ですが、約1年前に医局を退局してこの病院に就任をされていました。

その面談は「現在大学病院医局在籍中」と「大学病院医局を退局し1年経過」という構図です。

面談も終わりに近づき、30歳代の医局に在籍中の先生が、退局することに戸惑いを感じるとコメントされました。気持ちのうえでは激務に耐え、医局に誠心誠意尽くしてきた達成感はお持ちですが、いざ教授との話し合いの場を考えると、なんとも表現し難い気持ちになるというのです。

40歳代の医師は、つい1年前のご自身の姿と重ね合わせ、退局の際、どのような状況であったかを話してくださいました。実際に退局の申し出をするために教授を訪問した際、なんとなく言い出せず、また教授も察して話が全く違う方向へ進み、やっと言えた一言が「将来について・・・」という短い言葉であったそうです。

その言葉を聞いて教授は「その話はまた次回ね」とはぐらかし、実際に退局の了承をいただくまで半年間を要したといいます。その後、教授を訪ねるが「また今度ね」が何度か続き、4ヶ月程経過した際には、その先生を応援されるまわりの医師から「自分の考えがあるのなら、しっかり伝えるべき」と背中を押され、ようやく話し合いの場を持つことができたそうです。

「今になって思うけど、やはり自分の人生だから、自分で決めたことをしっかりと伝えるべきであり、やりたいことを表現するべきだ」と言われました。30歳代の医師は黙ってうなずきながら、その話を聞いておられましたが、どこか浮かない顔です。40歳代の医師は続けて大学医局と今と何か違うかについて話し出されました。

「大学の時には学会の発表や論文の作成、後輩の指導に日々の診療と、常に何かが頭の横にあり、クリアしてもクリアしても新たなものに追われているようでした。いわゆる診療以外の雑用と言われるものが山積みになっており、それがエンドレスに感じて、このままでは疲弊してしまう、自分の人生はこれで良いのかなど、考え始めたのが転職のきっかけでした。

しかし今では正直追い立てられるものがなくなり、自分のやりたいことを自分のペースで行うことができます。やることが山積みの時には、どことなく気持ちのうえでも余裕がなく、診療中にもイライラしてしまうことがありました。

今では自分のやるべきことを自らが決めているため、余計なイライラ感もなくなりました。今の環境になってこそ気づきましたが、追い立てられる感がいわゆるストレスの一部となっていたのかもしれない」。この医師だからこそ、感じられたことかもしれませんが、転職にあたり、ご自身に見あう環境をお選びになられた成功事例の一つだと感じました。

転職のハウツー本などをご覧になったことがあるかもしれませんが、ご自身がイメージした通りの生活ができることが「成功する転職」かどうかの判断材料になると考えます。

参考になさってください。

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