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前回のコラムでもご案内しましたが、もし医師が自分の価値を適正に認識できていないと、まわりに認めてもらえていない、評価されていない等の不満を招く場合もあります。

転職においてその成功率が低くなる一例と言えます。

第三者にとっては当たり前の話なのですが、当事者となると意外に気づかないものです。

もし医師が現在以上の対価を求めるのであれば、今以上に成長し、キャリアを積み上げる努力が必須です。

自分をより高く評価してもらえる場所を探すことも否定はしません。しかし、自分をマネジメントする主体性のほうが大切であり、自らの価値を高めたほうが結果的に転職成功への近道だと考えます。

では具体的に、自らの価値を高める方法とはどのようなものでしょうか？

優先順位の第一位は「コミュニケーション能力」です。

医師の方々も、医師募集要項などで「コミュニケーション能力のある方」と、目にされたことがあるかもしれません。誤解されがちですが、コミュニケーション能力とは、ただ話がうまいという意味ではありません。

「相手と意思の疎通を図る」能力です。たとえば患者様やそのご家族、上司や同僚、一緒に働く職員に留まらず、地域の連携先や諸団体とも円滑に意思疎通を図ることができると言うことです。

たとえば、手紙やメールはコミュニケーションの手段であり、それぞれの文法やエチケットについても弁えておく必要があります。

第二位は、「思想・哲学の知識」。

どちらかと言えば、この知識はビジネス業界においては備えていて当然とされます。経営陣との日常会話のなかで話題となることも多く、またその知識を持ちあわせていれば、政治・経済をはじめ、世の中が今後どのような動きをしていくかも想像できるようになるからです。

たとえば、世界的にも大きい組織といわれるカトリックなどの宗教組織の求心力、組織力の背景には、どのような思想や力が作用しているかを分析し、参考にする企業も多いと聞きます。

松下幸之助氏は販売店ネットワークを構築する際に宗教組織を研究したとされます。

第三位は「歴史・古典の知識」。

歴史は繰り返されるものであり、その時代や人物にフォーカスした知識を持つことも必要です。経営者が会社を運営するとき、人を集めて給与を出すだけでは組織の構築はできません。

すべての組織が利益のみで成り立っているわけではなく、ベースとなる思想や哲学が息づいているものです。歴史・古典の知識を通して過去に対する理解や洞察があれば、今後、国がどう動いていくのかの判断をそう大きく誤ることはないでしょう。

ビジネスの世界では、会社の運営や仕事の展開など思いついた企画に対して考えを巡らせ、組み立てて実行に移すのですが、誰しもが最初からそれができるわけではありません。

経験を積むうちに必要にかられて身につき、気づけばそれができるようになっているものです。たとえば、企画段階においては同じことを考える人や、思いつく人は山のようにいます。

しかし、それを迅速に実行し、成功できた者のみが社会に認められ、評価されます。

大事なことは、すばやく行動に移して実質を経験することです。

学生時代は「理論」を主に勉強します。

それも重要ですが、社会においては「実行」が先行します。実行のあとに理論が必要となるのです。いつまでも頭のなかで考える人よりも、考えて機敏に取り組んで見る人が社会において認められる傾向があります。

医師の場合も同様ではないでしょうか。日常の仕事のみが自分のテリトリーだと思っている間は、一般的な取り組みを行うだけに留まり、年収も一般的な相場にしかなりようがありません。

しかし、身につけた知識や経験を十二分に活用できれば高額収入を望むこともできるでしょう。

ただ、高額収入を得る為には、それなりの成果を出す難しさが伴うことも、一言つけ加えておきたいと思います。

参考になさってください。

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