トップページ > 医師転職アドバイス「医師のための医師という道」

医師と言えども転職が当たり前の時代になってきました。その理由は様々ですがやはり、「これからのキャリアプランを考えて」、「年収をもう少し増やしたい」、「仕事に忙殺されていて、もう少し自分や家族との時間がほしい」と言った、誰もが納得できる理由が多いように感じます。一度しかない人生ですから、悔いのない生き方・働き方を選びたいものです。転職に悩んでいる先生方か、ぜひ素敵な仕事・職場にめぐり合えることを祈っております。

医師転職アドバイス

  • 「医師のための医師という道」

さまざまな医師の方々と出会う毎日。教授はもちろんですが、部長を務めておられる准教授との出会いがありました。

前回のコラムでご案内したように、こちらの准教授は、自らの気持ちに正直に、もう一度大学病院へ戻ろうと決意をされたのです。

現在では、大学病院の救急部の体制を整形外科として過去の経験を基に作りあげる役割を担い、自ら救急の第一線に立つ道を選んでおられます。

最初は医師がおらず、それはもう言葉に表すことができないくらいの苦労の連続であったそうです。

大学の経営者や教授とも何かあるごとに、侃侃誇誇を繰り返しました。しかし唯一、教授だけは自分を理解してくれ、いつも最後には助けてくれる存在であったらしいです。

「患者様を助けるのは医師の使命。しかしその医師を助ける医師がいても良いのではないか。」

この時、そう感じたそうです。助けるというのはシフトを組むとかいうものではなく、医師が人として生活できるレベルのシステムやしくみを構築するというもので、その仕事を担う准教授は、自らの人生を振り返った時、頑張っている医師を助けるという「天命」があっても良いのではないかと感じたらしいのです。

「今思えば自分は一度リタイアした経験があるが、自らの思いを貫くことは人生にとって大切なことなのだとしみじみ感じた。まわりに流され忙殺して行く日々、理念を失い弾けた瞬問、人として滅びるような思いに駆られた。そんな思いはもう二度とごめんだ。まだまだ苦国や自治体も含め大学病院ですら体制が整っておらず、さらには悪い状態という批評もあると思う。しかしそれをただ悪いと決めつけるのではなく、自助努力は必要ではないかと感じている。自分の信念を貫く医師が集まり、現状、現代にあわせた体制を再構築する。そんな救急があっても良いと思う。一度リタイアしていながら、そう思い返せたのはやはり教授との出逢いが大きかったと思う。」

教授は准教授よりも7歳も上の大先輩。そんな教授が准教授に対して「理屈は後からついてくる。今はとにかくやるしかない。」と口癖のように言われていたそうです。

そんな教授の姿を見ていたからこそ、頑張ってこれたのではないかと。

現在は教授とともに救急を担い、科目を問わず皆で助けあい手伝いあう、そんな環境が心地良く感じているとも言います。

「確かに体力的に限界がきていると感じる時もあるが、同僚や後輩がわかってくれる。思わずお前だって限界だろ?と返すが、その気遣いやチーム医療の関係がうれしく感じる。その雰囲気で救われ、もう一件、がんばろうと思えるので、やっぱり今の場所がいい。今は週6日勤務だし、夜も必ずしも早く帰ることはできない。忙しいけれど以前とは違う家族の笑顔に支えられている。転職の道を一度は選んだけれど、どちらを選んでも良し悪しは言えない。しかし自分は残りの人生を医師のための医師という天命で生きようと思う。」

過去にこんなこともあったそうです。

丸2日問完全な徹夜があり、3日目の朝に院内にて教授に会われた際、教授の足が震えていました。

教授も同様に救急当直をこなしておられたのですが、教授は「もし手術時に自分の手が震えたらそれが限界なので止めてくれ。」と言われたそうです。それを聞いた時、准教授は「すごい医師だ。」。自らの限界を知り、精一杯対応されている姿勢に感銘を受けたそうです。

そんな経験もしながら、教授とともにやりあげてきたからこそ、今では息子に「医師は良い仕事」と自信を持って言えると照れ笑いされる姿は、医師というより、良いお父さんの姿でした。

「単に求められるから、決められたことをやるのみではなく、自分の環境を良くしようとするのも必要。日々忙殺され、でも医師としての使命感が張りつめボロボロになる。何か正しくて何か良いとは決して言えないけれど、腐ってリタイアした時代があったからこそ再度、使命を感じた時、導いてくれる人との出会いがあった。それが今の自分を作っている。医師のための医師、それは臨床で行き詰った後輩の指導であり、アドバイスできる先輩、飲みに行きガス抜きをする存在。このような医師に対する配慮ができる医師がいても良いと思う。もちろん若手医師の育成や、盛り立てる役回りも担う、それがこれからの人生なのだと考えることができるようになった。」

准教授は救急対応の時には、患者様のためのみを考えているそうです。

「僕は正直、人が嫌いだった」と言われていたのですが、環境一つで今では人が大好きになったそうです。そのきっかけは教授が医局員に対し家族と思って接してくれること、これらが医局のなかに根づいているからだと思うと語られたのでした。

人には「天命を感じる」瞬間があるといわれています。

多忙な状況下、一度はリタイアを決め、しかしながらまた敢えて多忙な世界へ戻られた准教授。両方の立場がわかるからこそ、どちらの道を選ぶのが良いかの判断はできないと繰り返し言われていました。そんな中、50歳を越えた今、自らの天命を感じ、これからも第一線で力を尽くして行きたいと決意をされているといいます。

同じ志を持つ医師が集まりお互いを助けあう、そんな環境を教授から学び若手医師に受け継いでいきたいと日々取り組まれているのです。

参考になさってください。

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